萩市 世界遺産

④萩反射炉
⑤大板山たたら製鉄遺跡

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萩反射炉
現存する大砲鋳造のためにつくられた金属溶解炉

現在残っている遺構は、萩反射炉の煙突にあたる部分である。高さ10.5mの安山岩積み(上方一部煉瓦積み)の煙突は、基底部が前面5.45m、側面3.8mあり、上に向かって幅を狭める長方形で、下方に2つのアーチ型の煙道孔が開いている。上方で二股に分かれているようにも見えるが実際はそれぞれ独立した2本の煙突となっている。

昭和53年からの発掘調査では、炉床とみなされる遺構が2本の煙突に対応して確認され、おもに西側の炉床で操業されたと考えられている。また、煙突前方の広場では建物・囲・柵が発掘されており、現在、これらの位置は低い土壇で表示し、柱の位置に玉柘植を植えている。

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反射炉の構造と特徴
反射炉の構造は、炉と煙突に大きくわけられる。アーチ形の炉では、後方の燃焼室で焚いた燃料の炎や熱を天井に反射させ、前方の溶解室に置いた金属を溶解した。また、炉内を高温に保つ必要があるため、高い煙突を利用して空気を大量に取り込んだ。これによって、鉄(Fe)に含まれた炭素(C)と酸素(O2)を結合させ、二酸化炭素(CO2)を排出し、鉄に含まれる炭素の量を減らすことが可能となる。「固くてもろい鉄」を「軟らかくて粘りのある鉄」に変えることが、反射炉の大きな特徴だったのである。

反射炉の遺構は、萩のほか韮山(静岡県)と旧集成館(鹿児島県)にあるだけで、わが国の産業技術史上たいへん貴重な遺跡である。【国指定史跡】

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大板山たたら製鉄遺跡
砂鉄を原料に、木炭を燃焼させて鉄を作っていた江戸時代のたたら製鉄の跡。たたらは、日本の伝統的な製鉄方法で、このたたら場では、1750年代~1860年代の間に3回操業していた。恵美須ヶ鼻造船所で建造した1隻目の西洋式帆船「丙辰丸」を建造する際に、大板山たたらで製鉄されたものが船釘などに利用された。建物跡などの遺構が露出した形で整備されている。